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10-15-11

母子寮前 – 小谷野敦


癌を宣告された母が死ぬまでの作者の話。
追い詰められていく感じが切実だが、いかんせん作者自身に魅力がないため、
よんでいて苦痛でしかなかった。
よくいそうな面倒くさい教授なんだろうなぁというのがよく伝わってくる。

09-29-11

人のセックスを笑うな – 山崎ナオコーラ


映画を先に見たのでどうしても田舎の風景が広がっていたのだけど、
舞台が東京でなんとなく不意を疲れた。映画化に際して舞台を変えたのはいい仕事だと思う。
読みやすく、淡々と進む。
不倫という形なのにどうにも清々しい感じがしてしまう。
それは主人公の男の魅力、というか、普通の、青年であり、
その純粋さをうまく描いているからかと思う。
こういうふうに男の人を描ける女性というのは素敵に思える。

09-28-11

29歳


山崎ナオコーラ、柴崎友香、中上紀、野中梓、宇佐美 游、栗田有起、柳美里、宮本あや子。
短編オムニバス。
それぞれが描く29歳の女性たち。
単に29歳と言ってもいろいろいるわけだけど、
どうしても不倫を扱う作品が多く、なんだか読み終えて悲しい気分になった。
あと、男に騙されたり、など。
でも、確かに周りを見てもそういうのは多かったわけで。
その結果、といいうかなんとかかんとか今幸せになっている奴らも多いわけで。
少なくとも、この本の中に出てくる男たちのように、(もちろんそればかりではないが・・・)
ならないようにしていきたいと、思った。
多分、自分まで悲しくなる。

05-19-11

グミ・チョコレート・パイン – 大槻ケンヂ

グミ編、チョコ編、パイン編の3部にわたる傑作青春小説。
オナニーしか能がないにもかかわらず、自分が特別なものであると思いたくてたまらない、
が、何が出来るわけでない高校生たちの葛藤がごきげんなテンポで書かれている。
まぁ、なっていったって大槻ケンヂだし、まさしくな作風。
妄想と現実、行動と挫折、溢れ出る自意識と自慰の無駄すぎるエネルギー。
まるで若き日の自分の情け無さを改めて付きつけられているような感覚を伴いながら一気に3冊読み抜けた。
特に後半の展開が神がかっている。あの時代の美しさと残酷さをスペルマ臭く描き抜かれた傑作。

05-14-11

思考の整理学 – 外山滋比古


思考を整理することの大切さ、その手法など。
手法の部分に関しては幾分時代が古いので、スマートフォンが盛り上がりを見せる今の時代には
ちょっとあっていない部分もあるが、あくまでツールが変わっただけの話。
むしろ思考を整理することの重要さを再認識し、自分にあった方法をみつけだして行くようにすればいいだろう。
著者自身もパソコンがこれからになっていく役割をきちんと認識していて言及している。
先見というか、さすがだなぁと。
そんなわけで。タブレット一個欲しいなー。

05-14-11

自助論 – サミュエル・スマイルズ/竹内均


よくできた啓蒙本。具体的な例を沢山挙げているが、ちょっとピンときにくいのが多い印象。
書いてあることは極めてまっとうなことばかり。克己心などなど。
こういう本は自分自身に喝をいれる目的で定期的に読んでみてもいいのかもしれない。
しかしながら素晴らしい生き方とはなんぞや?という疑問も生じてしまうのがまたこれ・・・
堕落しきった人生、とか、そういう生き方をしている人も嫌いじゃぁないですよ。

05-12-11

善悪の彼岸 – ニーチェ/著 木場 深定/訳


非常に読みにくくて途中で挫折。難しいというか、読みにくい。
訳が直訳的すぎる、といのか。残念ながら駄目だった。

12-30-05

桃 – 姫野カオルコ


ツ、イ、ラ、クの登場人物たちの外伝的短編集。
その世界に惹かれた人であれば間違いなく読んでおくべきだと思う。
ツ、イ、ラ、クで描かれた事件を、その当時を知る人物たちのそれぞれの今。
 「人間はひとりひとりその人にしかない個性で時間のなかを生きている。」
あとがきが物語るように、あの事件もそれぞれによってその意味を変えています。
そして何より流れた時間は、それをどこか風化させていたりもします。
それでも確かにあった時間。
ツ、イ、ラ、クは桃によりさらに意味を持つ物語となると思います。
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12-29-05

ツ、イ、ラ、ク – 姫野カオルコ

男は誰でも罪を背負って生きているものだと思います。

遠い日、少年であったという、その事実。
ある人はそれを忘れたものとし、ある人はそれに縛られつづけ、
またある人はそれを罪と気付くこともなく、それぞれ年を重ねています。
姫野カオルコの綴るこの極上の恋愛小説を、どこか恐怖に似たような、
それでいて心地いい感覚を伴い読みきりました。
思うのはやはり自分は男であるということ。いや、女ではないといった方がよいでしょうか。
そして、もはや決して少年ではないということ。
女性がこの本を読む感覚を思うと、どこか申し訳ないような気持ちにさえなってしまいます。
遠い日、確かにあった閉塞感。今だから思えるたわいもないことに本当に必死であったこと。
必死なんだけどもどうしようもなかったこと。
青春のすがすがしさなどではない、思い出すのも抵抗がいる忌々しき感覚。
幼さという残酷さ。それでも流れていく時間の残酷さ。
8歳の主人公とともに25年を生きた時、
それと同時に時間のもつ優しさを知ることができます。
決して目をそらすことなく罪と向き合うこと、
それが大人となった男のやるべきことのように思えました。
いつか、コーヒー一杯で救われる日もあるのかもしれないのですから。
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12-28-05

海がきこえる〈2〉アイがあるから – 氷室 冴子


海がきこえる、拓と里佳子の大学編ストーリー。
ジブリ作品で好きなものといえば、耳をすませばと、
海がきこえるがトップクラス。
映像版、とその小説は確か高校生の時だっけかな。
その当時年上であったはずの2人がいまや10年近く年下の男女として現れるというのは、なんだかとても感慨深かった。
あたたかい気持ちで読みきることができた。
とても好き。
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